いつつばぶろぐ

どうでもいいことを, いかにややこしく書くか

新年

あけましておめでとうございます. 

 

月日が流れていくのは実に早いものです. 日頃の睡眠不足を解消すべく延々と寝ていたら1月も3日になっていました. このままではそろそろ干物になりそうで これはマズイ, と布団から這い出し机につき, 勉強するかと思いきやPCを開いてこの記事を書いている次第です. 私事ですが忌まわしきことに, 4日から2016年の大学がスタートしてしまうのでそろそろオン・モードに体を整えておかなくてはいけませんね.

さて私事はこのくらいにして. この時期には Facebookにも旧年のまとめ記事や新年の抱負記事がちらほら流れ, 一方のTwitterでは新年に合わせたネタツイやら正月特番のピックアップが絶え間なく流れ, ヒマになりがちな年始に飽きがこなくてよいものです. 実家に帰省し食っちゃ寝の正月を決め込んだり, 意気揚々と初詣や初売りに精を出したり, と人それぞれ様々な過ごし方があることでしょう. 

 

元日の 朝はまばらに夜が明ける

 

これは江戸時代の川柳です.

 

(*註1・元旦というのは1月1日の「朝」のことを示すそうで、1月1日それ自体を表したいときは「元日」が適切, だそうです. マメ知識でした.)

 

ついこの間2015は素数じゃないからダメ, などと言っていたような気がするのに、もう2016年になっていました. 2016も去年と同様 素数ではありません. まあ偶数なんだから素数じゃないぞと言われても それはそうですね. 

 

(*註2・次に素数になるのは2017年です. そうです, 来年は素数年です. Twitter素数愛好家たちが来年の年明けを今から心待ちにしていることでしょう. 僕も楽しみです. )

 

導入からしていかにもな匂いがしますが, 今回の記事は「2016」という数字自体にスポットを当てるところから始めようと思います. 一応理系とはいえ 高校数学どころか算数程度のあやふやな知識しか持ち合わせていませんが, それでも数字の興味深さや奥深さに迫れれば幸いです. あいかわらず文が大げさ.

 

さて本題に入りましょう.

 

「2016は素数ではない」と言われれば, じゃあ素因数は何だと計算したくなるのが常といえましょう.

僕がiPhoneに入れているアプリのひとつに, 素因数分解のアプリがあります. ただでさえ大量の写真やAppでストレージがギリギリのiPhoneに何だって素因数分解のアプリなんか入れているのか?答えは簡単, 素因数分解がしたいからです.

このアプリにより2016を素因数分解すると2^5・3^2・7となります.(4桁の数くらい自力で素因数分解しろよと怒られそうですが)約数の個数は36個, これらをすべて合計した総和は6552になります. 約数の個数とその総和はどうやって求めるのか?これは高校入試などでよくありがちな問ですから今更ここで説明するようなものではないでしょう. 要は個数も総和も 素因数分解を使えばいい話です. 素因数分解というのはすべての基本, 数字に対し促進的に分泌される消化酵素のような便利で美しい方法だということでしょう.

 

2016は素数ではないとはいえ(合成数であるとはいえ)焦点を当てるべきは36個という約数の個数です. 素数でないからとしょげてばかりはいられません. 約数が36個もあるのはなんと1980年以来36年ぶりだそうで. そして次に約数が36個になるのは2100年であり, この間に約数が36個以上になる年はありません.

これだけ約数が多いと佳いこともいっぱいありそうなものです. 

参考までに, 素因数分解と約数の個数・総和をいくつか掲載しておきます.

 

1980年 1980=2^2・3^2・5・11(約数36個 総和6552)

 

2014年 2014=2・19・53(約数8個 総和3240)

2015年 2015=5・13・31(約数8個 総和2668)

2016年 2016=2^5・3^2・7(約数36個 総和6552)

2017年 2017 is Prime!(約数2個 総和2018)

2018年 2018=2・1009(約数4個 総和3030)

 

2100年 2100=2^2・3・5^2・7(約数36個 総和6994)

 

こう見ると2016年はまわりから浮いてやたら約数が多い年のようです. 当たり前ですが約数が多いと総和も大きくなりますね. ところで前回約数が36個だった1980年とは素因数も違うのに総和がどちらも6552となっています. これは何かの偶然なのでしょうか?あまり詳しいことはわかりませんが, 6552というのが縁起の良い数字に見えてきました. 暗証番号とかパスコードとか自転車のキーロックとか6552にしたら運が良くなるのではないでしょうか. 

 

(*註3・途中で出てきた合成数というのは「自然数で, 1とその数自身以外の約数を持つ数」と定義されます. たとえば最小の素数は2ですから, 最小の合成数はその2を2乗した4です. 素数が無限個ある——これは数学的帰納法で証明されたような気がします——のと同様, 合成数も無限に存在します. 定義を見るとなんとなく「合成数とは素数でない自然数である」ような気もしますが, 自然数のうち1だけは合成数とは呼べません. 自然数素数合成数, そして1から構成されているのです. なんだか1が特別な気も, かわいそうな気もします. 世界を構成するグループふたつに挟まれ, どちらからも除外されてしまった1の気持ちはいかんとも推測しがたいものがあります. 数字に気持ちがあるのかどうかは別として.)

 

(*註4・こういった数のグルーピングは色々あり, わかりやすいので言えばそれこそ有理数無理数, 実数と虚数, 非負整数(「非負整数」というワードはなぜか数学オリンピックの問題にありがちです. )等の大きな分類, 完全数友愛数のように, 数字の持つ特徴をまとめた分類も存在します. こういった数の不思議な集団について「博士の愛した数式」という有名な小説があります. もう有名すぎてここでとりあげることではないかもしれませんね. )

 

一時期ツイッターランドでも「10をつくる」遊びが流行ったのは記憶に新しいでしょう. この10作りゲーム自体はもっと昔からありましたが, 診断メーカーを利用してランダム生成された4桁の数字群をいじって10を作り, Twitterに連携し, 斬新な作り方を披露したりついでに意見交換などしたりというのが新しく, 一時期は本当に爆発的な人気を博しタイムラインが数字で埋まったりもしました. iOSアプリもできているそうです(何もアプリでやらなくても). この流行を引っ張りだして2016で10を作ってみたくなるというものではないでしょうか?

 

2,0,1,6というのもなかなかクセのある組み合わせで, 全て足しても9, 2,1,6をかけても12,  2×6-1+0=11と, ニアミスの数字しかパッとは作れなさそうです.

10作りゲームのキモはおそらく0と1の使い方でしょう. 0と1をうまく使って計算結果をステイさせたり数字を除去したりするのが定石というものでしょう(いや知らんけど).

しかし僕の貧弱な脳ではこれから10を作るのはなかなか手強いことです.

ツイッターランドは広いもので, 診断メーカーにどれだけ無理難題の数字を出されても解いてしまう猛者がいるものです. その猛者たちが使うちょっとズルいような(この場合の「ズルい」とは「四則演算記号以外を用いる」という意味です)手を使ってみましょう.

 

具体的に言えば余弦です.

 

2×6-1-cos0=10

 

 

cosを使うというのはまあ言ってみれば「0から1を生み出す」という, 所謂錬金術のような禁じ手です. 無から有を生み出すという等価交換の原則を無視した禁忌を犯せば 片足と弟の体くらいは持って行かれそうなニオイもします.

 

ちなみにcos0=1を用いた別解としては,

 

2+cos0+1+6=10

 

というのもありました. 2016が順番通りにならんでおり, 加法しか用いていないという面でこちらのほうが圧倒的に美しいですね.

どうせなのでcosを使わなくても10を作れる方法を募集します. こういうのは煮詰まっていても他の人がフッとやると案外あっさりできてしまうものです. 人生にも通ずるところがありますね. 

 

(*註5・まさにその通りで, この記事を公開してからまもなく, 余弦などという鼻につく手を使わないきれいな正答がコメント欄に叩き込まれていました. 補足として以下に記します.

2×(0-1+6)=10

言われてみればそりゃそうで, ぐだぐだ試行錯誤したのがアホらしいです. )

 

ついでに10作りゲームの歴史もちょっと気になってチラッと調べてみましたが,これが最初, というのは見つけきれませんでした. 発祥かどうかは定かではないですが, 10作りゲームは正式?には「切符ゲーム」というそうです. 

 

なるほど確かに切符には(何かはよく知りませんが)4桁の数字が印字されています. 昔の人は列車の旅の暇つぶしにこの4つの数字で10を作って遊んでいたのかもしれません. なんだかいい話ですね. 切符がほぼほぼIC化され, ピッのワンタッチで改札を通ってしまう現代では 切符の4桁の数字で10を作って暇を潰すような光景はなかなか見られないでしょうね.

http://www.e-kyozai.jp/cgi-bin/ticket/ticket.cgi

ここから切符ゲーム——本来の10作りゲームが遊べます.

 

さらにさらに話が逸れますが, このサイトはおおもとを「すぐる学習会」というHPに置いています. すぐる学習会というのは四谷大塚提携の塾のHPで, 申し込みフォームや講義カレンダーの他に, 小中学生向けのインターネット教材置き場のようなものも兼ねています. 算数の解き方マップや理科の暗記事項集など, 中学受験でなんだか見覚えのある教材ばかりが並んでいます. しかしそれだけではなく, すぐる学習会HPには 小中学生が楽しめる, 脳に良さそうな「学習ゲーム」が並んでいるのです. 切符ゲームはその中の一つであり, 他にはマルバツゲームとかいうFlashプラグインテストで学生が作ってそうなシロモノから, おなじみのヌメロン, 懐かしの100マス計算(絶対手でやったほうがマシ), かるた部垂涎の百人一首カルタ, 歴史年号クイズから都道府県ジグソー, 絶対音感ゲームとかいう、中学受験ワールドに別に影響しなさそうなよくわからんものなど, 案外多種多様なアプリが詰まっています. 

 

なぜこんなにすぐる学習会に詳しいかというと, 恥ずかしながら私も小学生のころすぐる学習会の思うつぼのように学習ゲームにハマったことがあるからです. とはいえ意識の高い小学生のように算数や歴史やらをせっせと学んでいたわけではなく, 何故かあえての「星座四択クイズ」にドハマりしていました.

 

 

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思い出すのも若干恥ずかしい いわゆる若気の至りなのですが, すぐる学習会の学習ゲームにはソーシャルゲームらしく「ランキング」が存在します. タイピングゲームとかでよくありますね. 学習ゲームのスコアは最後にランキングに登録できるわけです.

 

(*註6・世の中にはいろいろな人がいるわけで, この「学習ゲーム」というクソマニアックな世界でも もちろん物凄いスコアを叩き出す人々がいます. たとえばヌメロンでは0.00秒クリアの人が必ずランキング1位になっており, 幼心に「さすがに0秒はありえん, あらかじめ何か4桁の数字をクリップボードにコピーしておいて, ゲームと同時にペーストし, それがたまたま正答と合致するまでニューゲームをしているんだろう, いわゆる数打ちゃ当たる方式だな, ちゃんと脳を使わんかい」とキタナイ大人たちを呪っていたものです. )

 

このランキングというのは人間の心の底にある闘争心にうまいこと火を付けるモノで, 小さかった僕もこのランキングのどれかで上位に入りたいと思ったもので, そこで自分にちょうどよかったものが「星座四択クイズ」だったのです.

星座四択クイズとはその名の通り, 星座の写真が表示され, その星座の名前を4択から8秒以内に選択, お手つき3回でアウト, という至極簡単なルールのゲームです. ルールは簡単とはいえ, 普通の人は星座なんてまあせいぜいオリオン座とはくちょう座, こと座, カシオペヤ座, 頑張っておおぐまこぐまなどの大三角形シリーズと あとはアルタイルを冠するわし座くらいしか知らないでしょう. しかしこの星座四択クイズでは, ろ座だのほ座だのちょうこくぐ座だのろくぶんぎ座だのけんびきょう座だのから ケフェウス座だのレチクル座だのエリダヌス座だのに至るまで ありとあらゆる星座が容赦なく出題されます. そんな 天文部ですら全員はわからないであろうマニアックな星座の名称を写真だけから当てようなど なかなかレベルの高いクイズではないでしょうか?

しかしこのクソクイズにハマった理由がちゃんとあります. 星座は全天で88個しか存在しません. 逆に言えばどんなマニアックな星座だろうが, どれだけいろんなクイズが出されようが, 問題パターンは最大で88しかないのです. 88個全ての写真を暗記してしまえば, 無限に(時間と気力体力の続く限り)正答をたたき出せるチートクイズ——これが「星座四択クイズ」なのです.

 

このことに気付いた幼い私は「88タイプの写真を全て覚えればランキング1位も夢じゃない」と意気込み, クイズの試行回数を重ねることで少しずつ星座の写真を覚えてゆきました. 幼少期の脳の柔軟さと探究心及びやる気、そしてヒマさはなかなかあなどれないもので, 3週間もすればかなりの正答率をマークするようになりました.
ここまでくればあとは体力と正確性の根気勝負, 言い方を変えれば消化試合というか作業ゲーです. ときどき間違えて悪態をつきながらも100問を超え, 200問を超え, 300問を超え, おそらく最も高かったスコアは 連続正解にして900問以上だったと記憶しています. ここまでくると何というかもう修羅のようなものです. 周りからすれば何時間も, 次から次へと出てくる星座の写真をさばき続けて さぞ頭のおかしい子供だったことでしょう. しかし当時の私は本気でした. もちろんランキングで1位を獲得したこともあります. よくわからない達成感と 分泌されるドーパミンに脳をやられていたのかもしれません. 500問を目前に3回目のお手つきをしたときのくやしさも覚えています. 今思うとくだらないというか何というか...
そうして得た星座の知識は結局, まあこの「星座四択クイズ」で出題される写真においてしか発揮できない限定的なものであり, 別にキャンプに行って「あれがみなみのかんむり座だよ」などと自慢することもありませんでした(そもそも日本で観測できる星座は限られている). いつしかすぐる学習会HPにもアクセスすることはなくなり, あんなに熱中して魂をかけていた星座の名称は, まさしく星のまたたきのように消えていったのです.
ちなみに今この記事を書きながら星座四択クイズをやっても, 20問ちょいしかできませんでした. そんなものです.
 
さて, あれから10年以上経った今, 星座4択クイズの通算ランキングはどうなっているかな, あのころの自分がまだいるかな, と若干の甘酸っぱい期待を抱きつつ「通算ランキング」をクリックした結果が以下の通りです.
 

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時代の波に呑まれて風化していった切ないインターネットの墓標がそこにはありました. ちょっと泣きそうになりましたが, とても懐かしくなり, 在りし日の少年時代をかすかに思い出すことができてよかったです.
 
どなたか気力に自信のある方は, 全天の星座をくまなく暗記してこのランキングを埋めてみてはいかがでしょうか. 誰もいない今なら大した苦労を注がずとも上位に食い込める大チャンスです. 孤独な電子の砂漠の片隅で小さな承認欲求が満たされると思います. 人には言えないし, あまり役にも立ちませんが.
 
 
 

今回はいつになく脈絡の無い記事でしたが, 書きたいことを無秩序に羅列したのでしょうがないかもしれません.  後半など2016ではなくただのすぐる学習会と星座にまつわる幼き日の思い出になってしまいましたが, 読んでいただけたのであれば幸いです. 

 

 

 

みなさまの2016年がよい1年になりますよう.